問題意識に関するメモ
メディア Media
メディアといえば、テレビや新聞のようなマスメディアを思い浮かべる人が多いかもしれません。あるいは、紙やCD、USBメモリなどの情報媒体をイメージする人も結構いるのではないでしょうか。
メディアを捉える上で、石田英敬氏の「記号の正逆ピラミッド」が、個人的にいちばんしっくりきます。 上半分の三角形が人間の「記号過程」、下半分の三角形がコンピュータによる「情報処理」を表しています。 記号過程とは何かを含めて、詳しくは「石田英敬, 東浩紀, 新記号論 脳とメディアが出会うとき」と、関連する本をご参照ください。 2つの三角形が接しているところがメディアインタフェースを表しています。
記号の正逆ピラミッド。
上記の書籍(p.232 図3)をもとに作成。
この図を援用する形でメディアを捉えつつ、メディア技術のアップデートについて考えたいと思っています。
デザイン Design
デザインといえば、お絵かきやイラスト、3Dモデリングを思い浮かべる人も結構いるかもしれません。絵を描くのが苦手という人も多いと思いますが、ここでのデザインは絵心とは別のお話です。
「デザイン思考」 や 「情報デザイン」 という言葉は、今はかなり一般的になってきました。 デザインプロセスに基づく課題の発見と定義、創造的思考は、実践的な知としてだれもが身につけるべきスキルになっているように思います。 このあたり、あまり馴染みのない人は、上記のキーワードで検索して掘り下げてみてください。
デザイン技術によって日常生活に潜む課題の発見と定義を行い、創造的思考で解決策を考えたいなと思っています。
発想のジャンプ Abduction
「発想のジャンプ」や「アイディアの閃き」には、「アブダクション(仮説形成)」が重要な役割を果たしているようです。
アブダクションとは、仮説を形成する思考の方法を意味し、創造的思考において重要な役割を果たすと考えられています。 アブダクションの提唱者であるパースによれば、アブダクションは、もともとは「自然について正しく推測する本能的能力」であり、自然に適応するために人間に本来備わっている能力なのだそうです。そして、アブダクションのためには、「現象の観察」や「あらゆる側面において考察すること」が重要なようです。詳しくは、「米盛裕二, アブダクション―仮説と発見の論理」をご参照ください。
ハッキング Hacking
ハッキングという言葉は、本来的には、「コンピュータに関する高度な知識や技術を持つ人が、創意工夫や遊び心を発揮して人々を驚かせるようなソフトウェアの開発や改造を行うこと(参考)」という意味があります。
佐藤雅彦氏は著書「ベンチの足」にて、ハッキングには「技術の理解」と「思考のジャンプ」が必要であることを述べており、知識や技術を充分身につけていないと、ジャンプする土台がなく、ハッキングは起こらないことを指摘しています。
モチベーション Motivation
ダニエル・ピンク氏 によると、モチベーションは外的なものと内的なものとに大別できるそうです。
外的モチベーションは、成績や締切、褒賞のような、外的に与えられるようなものを表します。 外的モチベーションの具体例として、「良い成績を取るために」勉強するなどが挙げられます。
一方、内的モチベーションは、「重要だから」「好きだから」「面白いから」のようなものを指します。
ダニエル・ピンク氏は、外的モチベーションには、適用できる状況が限られることや、創造性が損なわれるケースがあることを指摘しています。 そして、以下の3項目を軸とする動機づけを提言しています。
- 自主性:自分の人生の方向は自分で決めたい。
- 成長:何か大切なことについて上達したい。
- 目的:私たち自身よりも大きな何かのために。